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博報社HOME > 砂時計 > 2007年10月 第111号 > メイン記事

砂時計

水海道八幡神社 秋祭り

「なぜ、旧暦八月の満月を特別なものとして愛でるのでしょう?」今年の「旧暦八月十五夜」は九月二 十五日にあたります。今日の「水海 道八幡神社秋祭り」は今年で、三百 三十年目の十五夜の日を迎えました。

「月々に月見る月は多けれど月見る月はこ の月の月」という名月を詠んだ歌があります。
十五夜の頃になると日中 は夏の暑さの名残は感じるものの、朝夕には爽やかな秋風がふきそめてきます。空にぽっかりと浮かんだ中秋の名月は、秋の実りの象徴のように黄金色に輝いて見えます。旧暦の八月を秋の半ばを意味する「仲秋」と呼びますが、この月の十五日は、仲秋のさらなる中心の日として「中秋」とも呼ばれます。この日の月を「中秋の名月」として愛でる風習から「つき見月」とか「観月」と言われます。

神社のと鳥居にしつらえた「ススキの輪」をくぐり身の穢れを祓い境内に入ると、五百年以上の大きな欅の木の向こうにゆっくりと満月が昇ってくるのが見えることでしょう。境内には、昔物語の「奉 納行灯」に灯がともされ、耳を澄ませると秋の虫の鳴き声が響き幻想的な世界が広がります。
古の中国では、この夜に天人が 月から降りてくるとされ、瓜などの果物や秋の草を供える習慣がありました。それが平安時代に日本に伝わり「竹取物語」のかぐや姫伝 説や「月見の宴」となりました。境内では、「かぐや姫月夜の映画会」が行われます。

月見のお供えに「月見団子」があります。白く丸い団子は月の象徴、 団子の替わりに里芋を供える地域もあるそうです。茹でた里芋は,薄絹をかぶった女性に見立てられ里芋を「絹担ぎ」と呼ぶそうです。この旧暦の八月の月を「芋名月」と呼ぶのは,丁度里芋の収穫期にあたることからきています。
「秋の野に咲きわたる花を指折りかき数ふれば七草の花」今宵は、秋草を供え月を愛で、古人の風雅に想いをはせてみましょう。

(八幡神社 宮司記)

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